夏から秋へと移る星空
- 揖斐谷 -






タムロンからEマウントのフルサイズに対応した新しい標準ズームレンズが登場した。
28-75mm F/2.8 Di III VXD G2。
発売日は10/28。
月出までの短時間持ち出して、テストしてみた。
今回は簡単な紹介。

タムロンEマウント標準ズームレンズの第2世代だけあって、初代に比べて画質の向上が実感できる。
もっとも28mmスタートの標準ズームと広角側は控えめで、星野・星景撮影には少し物足りない。
しかしなんといってもこのサイズでF2.8通しと、星空や星座撮影に使いたくなる明るいズームレンズである。
24mmスタートではこれだけコンパクトにはならなかっただろうから、サイズとのトレードオフというべきだろう。
耐荷重に制限のあるポータブル赤道儀との相性もよい。

四隅にサジタルコマ収差は認められず、周辺の画像も安定している。
もう1段絞れば周辺減光は気にならないだろうが、せっかくのF2.8という明るさが活かせない。
もっともタムロンには 超広角ズームレンズに 17-28mm F/2.8 Di III RXD があるし、20、24、35mmの広角単焦点レンズがラインナップされているので、そちらをどうぞ、ということになるのだろう。
しかし、これら焦点距離のレンズにはソニー純正のGMやGレンズがあり、描写はさらに上。
ただしお値段も格違い。
Photoshop の CameraRaw のレンズ補正データが早々と公開されているので、現像段階で適用した。

思うにこのレンズは、気合いを入れて撮影というよりは気軽に持ち出せる常用レンズということだろう。
付けっぱなしにしておいて、しかも普段づかいだとしても画質には妥協したくないという、そこにこのレンズの意味が見いだせる。
あとは FE 24-70mm F2.8 GM が新しく生まれ変わるとしたら、どのようなレンズになるかが気になる。現行レンズは贅沢を尽くして、力業で高画質を実現したレンズ、という気が個人的にはしている。次のVersionが、画質向上は当然としても、その上で軽量化されたら、、、、いやいや、いかん。貧乏生活の我が身を振り返ると、、、、冷や汗ものである。




2021年10月28日21時52分撮影
28mm、ISO3200、f2.8、30秒
SONY α7M3 + Tamron 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
ケンコー PRO1D プロソフトン クリア(W) 使用、Raw、赤道儀で恒星追尾撮影
ノイズリダクションはすべてoffの1枚撮り